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おつかれさまのビールで オンラインイベントに一体感を
Oct 3, 2025

2025年に創業140周年を迎えた田中貴金属。200周年となる2085年を見据え、長期的な企業経営計画「TANAKAルネッサンスプラン(TRP)」の推進に取り組んでいます。「誰も見たことがない未来を創る」ことを目指し、節目となる140周年には取引先への贈答用として「140周年記念ギフトワイン」を制作しました。ワインのアッサンブラージュ(ブレンド)を自社の強みの1つでもある貴金属合金に重ね合わせたほか、大航海時代の要素を取り入れた味やデザインに落とし込むことで、ストーリー性のあるギフトとなりました。
140周年記念としてのワインギフトに込めた想いや、オリジナルのワイン制作を通じて得た体験について、株式会社田中貴金属グループ 未来創り本部 社長室チーフマネージャーの米井佑輔さんと、マネージャーの藤本順嗣さんにお話をうかがいました。
⸺ 貴社の事業や組織について教えてください。

藤本さん:田中貴金属は事業内容に応じて各会社を経営しており、株式会社田中貴金属グループは国内外のグループ各社の経営管理機能を担っています。
グループ全体の事業は大きく2つに分かれます。1つは、電子部品や自動車、スマートフォン、産業機器など幅広い分野で活用される産業用貴金属の加工・販売を行う産業事業です。
もう1つはリテール事業で、指輪やネックレスなどの宝飾品や貴金属資産商品・サービスを提供しています。田中貴金属といえばこちらの宝飾品をイメージする方は多いかと思います。
⸺ 田中貴金属は2025年に創業140周年を迎えました。この大きな節目を貴社ではどのように迎えているのですか?
藤本さん:田中貴金属では、2085年の創業200年に向けた「TANAKAルネッサンスプラン(以下TRP)」を2021年より進めており、持続可能な社会や多様性を重視する考え方のもと、貴金属を活用したさらなる企業の発展を目指しています。歴史ある企業がこれからも前向きな成長を続けるための目標ということですね。
未来創り本部に所属する私たちはこのTRPを推進する立場にあります。2025年に迎えた140周年の記念事業もそのプランの一環として企画しました。
⸺ 記念事業としてどのような企画をしようと考えていたのですか?
藤本さん:動画の制作やグッズの展開を検討していました。140周年という節目には挨拶や贈答の機会が想定されるため、通常のお中元や返礼とは異なる特別なものを用意したいとも考えていました。140周年という数字の重みを考えると、既製品で手軽に済ませるのではなく、何か特別な意味を持たせられるものを用意したいと思っていたのです。
米井さん:しかし正直なところ、なかなか明確なイメージを掴めずにいました。ありきたりなものは避けたいと思っていた一方で、社内には堅実さを重んじる雰囲気があるので、過度に大胆なアイデアは馴染みにくいのです。そこで重みや信頼感がありつつ印象に残るアイテムが望ましいと考えていました。
⸺ そのようなタイミングで、STUDIO GIFTEEの担当者がご挨拶をさせていただくことができました。

米井さん:ご挨拶をいただいた後にすぐにギフティを訪問し、過去の事例を見せてもらいました。その中に、ワインを贈呈した企業の実例があったのです。とても素敵なデザインで、見た途端に自分たちが作りたいもののイメージが湧きました。
藤本さん:具体的な相談をした後、コンセプトがよく練られたさまざまなアイテムをご提案いただきました。革製品や食品などもありましたね。
米井さん:クラフトビールやウィスキーの案もありましたが、ビールは親しみやすく消費されやすい反面、カジュアルなので140周年という節目としては重みを持たせにくいと感じました。ウィスキーは高級感があるのですが、好みが分かれやすく、どうしても愛好者向けという印象が強いです。銘柄や熟成年数によって印象が左右されることもあり、ギフトとして一貫したストーリーを持たせるのは難しいと考えました。
応接室に飾れること、重量感と存在感があること、贈答用としての品格を重視し、やはりワインが良さそうだという結論に至ったのです。ワインは日常的に楽しまれる消費財である一方でギフトとしても成立し、「企業の物語を乗せることができる」点で適していると感じました。
⸺ 今回のワインには「アッサンブラージュ」というブレンドの手法を取り入れられたそうですが、どんな意図があったのでしょうか?
藤本さん:「アッサンブラージュ」という手法は、ギフティの担当者からご紹介いただいたものなんです。「ワインもブレンドができるんだ!」と新鮮な驚きを感じるとともに、この手法なら田中貴金属らしいストーリーを自然に表現できると思いました。貴金属は他の金属を加えて合金にすることで、強度を上げたり耐久性を向上させたりと、単体では併せ持たない特性を持つ新しい金属を生み出せます。
ワインも同じように、異なる特徴を持つ品種を掛け合わせることで新しい香りや味わいが生まれる。その発想を企業のギフトに込められるのは非常に意味があると感じました。
⸺ ブレンドするワインは、田中貴金属の役員の皆様が試飲しながら決めたそうですね。
藤本さん:そうなんです。10名ほどの役員の方にご参加いただき、赤ワインと白ワインをそれぞれ6種類ずつ、計12種類を試飲いただきました。
米井さん:事前に今回のコンセプトをお伝えし、その方針の中で評価していただきました。役員の方の嗜好だけでなく「香り」「味」「余韻」などの観点を踏まえて意見を出し合い、その結果をもとにブレンドするワインの候補を絞り込んでいきました。
藤本さん:最後はワイナリーの方と一緒にブレンドの割合を微調整しました。赤は果実味とスパイシーさのバランスを重視し、白は爽やかさの中に柑橘を思わせる酸味を活かす方向で仕上げています。完成後に改めて試飲会を開いた際には「日本食に合いそう」「キリッと冷やして飲んでも美味しそうだ」といった感想をいただきました。
⸺ 140周年記念ワインには「航海」というモチーフも込められているそうですね。その背景について教えていただけますか?

藤本さん:TRPを立ち上げる際、「航海」というモチーフが採用されました。私たちが歩む200年の道のりは、未知の海を進む航海に似ているからです。そのことから、多くの取り組みで「同じ船に乗って共に新大陸を目指そう」という雰囲気を演出することを意識しています。
米井さん:航海のモチーフは2024年に完成した新本社ビルにも反映されているんですよ。ビルの各フロアは「Bridge(操舵室)」や「Deck(甲板)」といった船にちなんだ名称をつけています。重要なモチーフですから、ワインにも「航海」のストーリーを込めたいと考えました。
藤本さん:大航海時代にはスパイスが重要な交易品の一つであり、とりわけ胡椒は高価なものとして扱われていたそうです。航海の歴史を振り返れば、柑橘類が壊血病を防ぎ、海を渡る船乗りたちの命を守る存在となったこともあります。
今回のブレンドワインにはスパイシーな香りやフルーティーな酸味を取り入れ、それを感じられるようにしています。単に「飲んで美味しい」にとどまらず、「航海」「挑戦」「合金」「ブレンド」といった要素が重なる体験を届けたいと考えたのです。
⸺ 実際に「140周年記念ギフトワイン」をお渡しした相手からのリアクションは集まっているのでしょうか。
藤本さん:役員からは「もっと渡したい」という要望をいただいています。お渡しした際には「デザインが良い」「理由まできちんと考えられている」と高く評価していただけました。
米井さん:役員や一部の従業員からは「面白い」「こういうことをもっとやってほしい」といった反応も増えてきています。これまでの田中貴金属は堅実で真面目な社風が強く、ギフトはいわゆる定番の品が中心でした。定番の信頼感を大切にしつつ、今回のようにストーリー性とデザイン性を取り入れることで、新しい価値を加えられたのではないかと思います。
⸺ 今後もさらにギフトを使った施策を展開したいとお考えでしょうか?

藤本さん:個人的にはもっと取り組んでいきたいなと思っています。例えば新入社員や中途社員が入社する際のオンボーディングでは、その日から「TRPはこういうものなんだ」「会社にはこういう雰囲気があるんだ」と感じてもらえるような演出ができれば、カルチャーを浸透させやすいと思っています。
田中貴金属は良い意味で堅く真面目な会社なので、どうしても「昔ながらの製造業」という印象を持たれがちです。だからこそ、新しい雰囲気を作ろうとしていることを感じてもらう方が、より長く田中貴金属で働いてもらえるのではないかと考えます。
最近は転職も盛んな時代ですからさまざまな選択肢から田中貴金属をえらんでもらえればと思っています。そうした意味でもオンボーディングにギフトを活用したいですし、たとえば育休から復帰する社員に、帰属意識が高まるようなギフトを贈るのもいいのではないかと考えています。何かしら、人に「ありがとう」や「ようこそ」を伝えるきっかけになるギフトが作れればと思っています。
米井さん:今は情報や感情の伝達をデジタルだけで済ませることが多い時代だからこそ、「手に取る」という体験が重要だと思っています。例えばメッセージカード一つでも、形や文字の大きさなど細かな要素から気持ちを伝えられます。だからこそギフトを選ぶときには、ストーリーが伝わるように、質の良さにちょっとした工夫を加え、贈る場面や演出も大切にしたいと思っています。
今回の「140周年記念ギフトワイン」のように、背景や物語をしっかりと設計することで、ギフトは単なるモノ以上の意味を持ちうると思います。そうした実践が積み重なれば、会社の文化として根づいていくはずです。同じような考え方を持つ人が社内に増えていけば、私たちがいなくなった後でも「2085年を目指す」という田中貴金属の歩みは続いていくと信じています。
⸺ STUDIO GIFTEEに依頼してよかったと感じているポイントをおうかがいできますでしょうか?
藤本さん:やはりワインをブレンドするという発想を提示してもらえたことは大きかったですね。私たち自身では思いつかなかったアイデアで、「合金」と重ね合わせることでストーリーに納得感が生まれました。そして、誰もが“わかりやすいけれど実現は難しい”と感じるアイデアを、きちんと具現化してもらえたのは、このプロジェクト全体を通して一番印象に残っています。デザインや納期に関してもフットワーク軽く対応していただけて助かりました。
米井さん:私が特に覚えているのは、最初に「お酒をつくろう」という話が出た時です。ワインに決める前段階で、ビールや日本酒なども含めてご提案をいただいたのですが、その内容が単なるリストではなく、一つひとつの選択肢に対して「なぜこれが良いのか」「どういう印象を与えられるのか」と丁寧に書かれた資料になっていたんです。まだ正式発注前の相談段階にもかかわらず、私たちの漠然としたアイデアや意図を汲み取り、言語化してストーリーとして提示していただいたのはありがたかったです。
そのおかげで、私たちの中でも早い段階からイメージが固まり、「やっぱりワインでいこう」と決断できました。現物サンプルや他社製品も見せていただきながら進められたので、具体的に想像しやすかったですし、やり取りの中で実感がどんどん積み重なっていった感覚があります。
⸺ 歴史ある会社が周年記念企画を進める際のアドバイスはありますか?

藤本さん:長い歴史を持つ会社にとって、周年記念はとても良い機会だと思います。過去の写真や資料が豊富に残っている企業なら、それを企画のヒントとして使いやすいのではないでしょうか。自社ホームページの「沿革」や歴史の変遷を見直すだけでも、新しいアイデアが浮かんでくるかもしれません。
米井さん:周年記念は、自分たちの立ち位置を改めて表現できる場だと思います。諸先輩方が築いてきた歴史を見直すことで、いまの姿を知ることにもつながります。
田中貴金属では長期的な企業経営計画「TRP」を周年のギフトや企画に反映しました。ただ、140周年で表現したグループの姿はそのまま150周年でも転用できるわけではないはずです。なので、その時々の立ち位置をきちんと見て反映していくことが大切だと思っています。
藤本さん:数字や歴史的な出来事をきっかけに、企画を膨らませるのも面白いと思います。例えば「創業年の1885」や「初の白金線加工の成功:1907」といった事実を調べてみると、そこから連想ゲームのように新しい発想につながることもあります。そうした過去を素材にストーリーをつくっていくことで、企画そのものを楽しむことができますし、結果的に周年記念を「ただ祝う」だけでなく「楽しみながら自分たちを振り返る機会」にもできるのかなと思います。
・クライアント名 : 株式会社田中貴金属グループ 様
・業種 : 製造業(貴金属・精密機器)
・ギフトの目的 : 顧客向け周年記念施策。創業140周年を記念し、取引先へ感謝の気持ちを届ける周年施策。田中貴金属グループ様の歴史や技術、未来への想いをギフトに込め、企業らしさを伝える特別なギフトとして設計しました。
・制作物の内容 : オリジナルワイン。赤・白2種類で制作し、味わいやラベル、ボックスデザインには「TANAKAルネッサンスプラン」のテーマである「航海」を反映し、140周年を超えて未来へ進むブランドストーリーを表現しました。
株式会社田中貴金属グループ
・米井佑輔さん(未来創り本部 社長室 チーフマネージャー) : 「TANAKAルネッサンスプラン(TRP)」の企画・デザイン・浸透・推進および部署間の橋渡しを担う。
・藤本順嗣さん(未来創り本部 社長室 マネージャー) : 「TANAKAルネッサンスプラン(TRP)」の企画・デザイン・浸透・推進および部署間の橋渡しを担う。
・施策実施時期: 2025年7月〜
※掲載されている情報は2025年8月時点のものです
顧客向け・周年記念